お金の地図を、
自分の手に。
自分の家計を入力して、将来のイベントを書き出し、学んだ金融商品で資産形成をシミュレーションする。社会人として知っておきたいお金の話を、手を動かしながら整理できます。
自分の数字を入れて、学んで、試す。
3つのステージで全体像がつながります。
ライフプランニングと
家計管理
まずは「今いくら入って、いくら出ているか」を知ること。次に将来の大きな出費を年表に並べて、お金が足りなくなる時期がないかを確かめます。
入力内容はこの端末のブラウザにだけ保存され、他の人には共有されません。初期値は例です。
1-1収支の把握と管理
見るべきは額面ではなく手取り。支出は毎月ほぼ決まって出ていく固定費と、月ごとに変わる変動費に分けて考えます。
固定費:通信費・サブスク・保険料・養育費など / 変動費:食費・日用品・衣料品・交際費など
1-2ライフイベント表の作成
1-1の内容に将来のイベントを加えると、ライフイベント表と貯蓄残高の見通しができます。ここでは運用せず、預貯金だけで貯めた場合を計算します。グラフの「今の価値に換算」をオンにすると、インフレで目減りした後の価値が見られます(2-1で解説)。
教育費は3〜22歳の20年間に均等に配分。生活費は22歳まで。1-1のお子さんにも適用されます。
購入後は家賃の代わりにローン返済と管理費等がかかる計算です。
生活費・家賃・イベント費用・年金は物価上昇率で、給料は手取りの伸び率で毎年増える計算です。住宅ローンの返済額は固定。物価上昇率は2-1の設定と連動します。
費用の目安:J-FLEC「社会人として知っておきたいお金の話」より(結婚 約300〜500万円、教育費 約850〜2,500万円、新築戸建て 約3,800〜5,000万円)。表の金額はその年のお金の額(名目)で、物価上昇率と手取りの伸び率を反映しています。税制の変化は考慮していません。
日本銀行の「物価安定の目標」物価が毎年2%上がると、36年で2倍
NISAの非課税保有限度額うち成長投資枠は1,200万円
72の法則72 ÷ 金利 ≒ お金が2倍になる年数
医療費の自己負担(小学校入学後〜69歳)高額になれば高額療養費制度
資産形成と
金融商品の仕組み
時間を味方につけるのが資産形成の基本です。まず「貯金なら安全」という思い込みを点検し、複利のしくみと税制優遇制度、それぞれの金融商品の特性を知って、自分の目的に合う組み合わせを考えられるようになるのが目標です。
2-1貯金も「日本円」への投資
預貯金は元本が減らない安心な置き場所です。ただし見方を変えると、資産を「日本円」という1つの通貨に100%集中させている状態でもあります。物価が上がると、通帳の数字は同じでも買えるものは減っていきます。
利息の分だけ少しずつ増える。預金保険の範囲なら元本は守られる。
物価が上がると、同じ金額で買える量が減る。円安になると輸入品の値上がりを通じて影響を受ける。
預金金利が物価上昇率より低いと、お金の「価値」は毎年目減りしていく。
日本銀行は、消費者物価の前年比上昇率2%を「物価安定の目標」としています。預金金利は03の仮定値を使っています。ここで選んだインフレ率は01と03の「今の価値に換算」にも使われます。
日本銀行は2013年1月、政府との共同声明で「消費者物価の前年比上昇率2%」を物価安定の目標に掲げました。物価が上がるのは家計の負担なのに、なぜ0%ではなく2%なのか。主な理由は次の3つです。
物価が下がり続けると「待てば安くなる」と買い控えが起き、企業の売上と賃金が下がり、さらに消費が減る。日本は1990年代後半から長くこの状態が続いた。
緩やかに物価が上がると企業の売上が伸び、賃金や設備投資が増え、それが消費を増やす。この流れをつくるのがねらい。
米国・英国・カナダなど、多くの中央銀行も2%程度を目標にしている。
2%の物価上昇が続く世界では、金利が2%より低い預金に置いたお金は価値が毎年減っていく。資産形成を考える理由の1つ。
前提は「物価と賃金がそろって上がる」こと。賃金が物価に追いつかなければ生活は苦しくなるため、目標の水準や物価高の負担については異論もあります。参考:日本銀行 黒田総裁講演(2014年3月)
2-2単利と複利、リスクとリターン
単利は元本だけに利息がつき、複利は元本と利息の合計に利息がつきます。期間が長くなるほど差が開きます。
複利の効果は時間が長いほど大きくなる。
毎月一定額で買い、購入時期を分散する。
資産・地域を分けて値動きをならす。
同じ積立投資でも、続けた期間によって結果の振れ幅は大きく違います。国内外の株式・債券に1989年以降に積み立てた場合、100万円はこうなりました。
赤い部分は元本割れ。出所:金融庁「はじめてみよう!NISA早わかりガイドブック」(J-FLEC教材より)。毎月同じ金額を国内外の株式・債券に積み立てた場合のシミュレーション。
1919年以降、どの20年間を切り出してもリターンはプラスだった(前身の指数を含む。クレストモント・リサーチ調べ)。
2003年〜2022年の20年間、毎月1万円を積み立てると、元本240万円が約690万円に(金融庁)。この指数の歴史は1980年代後半からと比較的短い。
1年単位ではS&P500が−38.5%(2008年)の年もある。日経平均は1989年末の最高値を超えるまで約34年かかった。1つの国に集中すると、長期でも報われないことがある。
長期・積立・分散を組み合わせると、元本割れの可能性を減らせる。ただし過去の実績は将来を保証しない。
特定の指数や商品を勧めるものではありません。積立の結果は03のシミュレーションでも試せます。
2-3税制優遇制度の活用
NISAは運用益が非課税になる制度。つみたて投資枠と成長投資枠は併用できます。
| つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
|---|---|---|
| 年間投資枠 | 120万円 | 240万円 |
| 非課税保有限度額 | 1,800万円(うち成長投資枠 1,200万円) 売却すると翌年以降に買値分の枠を再利用可 | |
| 非課税保有期間 | 無期限 | |
| 対象商品 | 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託(金融庁の基準を満たすもの) | 上場株式・投資信託等(一部除外あり) |
| 買付け方法 | 定期的に一定額を買う積立投資 | 特に制限なし |
iDeCo(個人型確定拠出年金)
個人で加入し、毎月一定額を拠出して自分で運用する私的年金。掛金を出すとき・運用するとき・受け取るときの3段階で税制優遇があります。原則60歳まで引き出せない点に注意。
掛金の上限は働き方によって異なります。要追記:働き方別の上限
2-4主な金融商品
リターンが大きい商品ほど、価格の振れ幅(リスク)も大きくなります。今回は9つの商品を取り上げます。
点線の丸は今回追加した商品。位置は一般的なイメージです。投資信託は中身(株式型・債券型など)で大きく変わり、暗号資産は期待リターン自体がはっきりしません。
2-5金融商品の特性まとめ
「増やしたい」「すぐ使えるようにしたい」「減らしたくない」。目的によって向いている商品は変わります。
| 商品 | 期待リターン | 値動き | 換金しやすさ | 元本 | 主な収益源 | 主な注意点 |
|---|
●の数は一般的な傾向を5段階で示したイメージです。個別の商品や市場環境によって変わります。
2-6貯蓄型保険と保障の考え方
貯蓄型保険は「保障」と「貯蓄」がセットになった商品です。検討する前に、まず国の制度でどこまで守られているかを知っておくと、必要な保障の大きさが見えてきます。
40歳からは公的介護保険にも加入します。高額療養費の計算例を追加
死亡時に家族の生活費を残す。扶養家族の有無で必要額が変わる。
入院・手術の費用に備える。高額療養費制度を踏まえて検討。
火災・自動車・個人賠償など、貯蓄では払えない大きな損害に備える。
貯蓄型保険
- 保障を得ながら解約返戻金・満期金が積み上がる
- 早期に解約すると払った保険料を下回ることが多い
- 保険料は高め。手数料など費用の内訳が見えにくい
- 生命保険料控除の対象になる
掛け捨て型保険 + 別に資産形成
- 同じ保障なら保険料は安い
- 浮いた分をNISAなどで運用する考え方
- 運用の値下がりリスクは自分で負う
- 自分で積み立てを続ける仕組みが必要
どちらが良いかは目的・期間・家族構成によって変わります。比べるときは「同じ保障額で、保険料と受取額の差がいくらか」を確認します。
ポートフォリオ
シミュレーション
01で入力した家計とライフイベントをもとに、毎月決まった額を02の金融商品で積み立てたら資産がどう動くかを試します。積立に回さなかった余剰は預貯金に残り、イベントの支払いは預貯金から、足りなければ投資から取り崩します。値動きを1,000通り発生させ、良いケースと悪いケースの幅で見ます。
想定リターン・リスク(学習用の仮定値・編集可)
| 商品 | 期待リターン(年) | リスク(年) |
|---|
将来の成績を示すものではありません。「この前提ならどうなるか」を考えるための値です。預貯金の行は積み立てなかったお金の利率に使います。リスク資産どうしの相関は0.3と仮定しています。
読み方:1,000通りの結果を良い順に並べ、ちょうど真ん中(500番目)が中央値。下位10%は悪いほうから100番目で「10回に1回はこれより悪くなりうる」水準、上位10%は良いほうから100番目で「10回に1回はこれより良くなりうる」水準。黄色の帯の中に8割のケースが入ります。
資産=預貯金+積立投資の合計。積立分は毎年同じ配分に戻して(リバランスして)運用する前提です。税金・手数料は考慮していません(NISA枠内の運用をイメージ)。